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2025/06/24ブログ

外国免許切替と交通事故との関係について

ここ数年、日本では外国人の運転免許証の「外免切り替え(外国免許切替)」件数が急増しています。
特にアジア圏からの取得希望者が多く、制度自体の在り方が今、見直しの時期を迎えています。
本ブログでは、この外免切り替え制度と交通事故の関係について、現状と課題、今後の動向をわかりやすく解説します。



外免切り替えとは?

外免切り替えとは、外国で取得した自動車運転免許を、日本の免許へと切り替える手続きです。
対象は、各国の運転免許制度が一定の基準を満たしていると認められた国・地域で取得した人に限られています。

近年では、ベトナム・中国などからの申請が非常に多く、2023年の切替件数は約6万件、2024年には7.5万件を超えています。



外免切り替えが交通事故に与える影響

実際に、外国人ドライバーが関与する交通事故は増加傾向にあります。
警察庁の統計によれば:
• 2022年:外国人関与事故数 115,241件(うち人身事故 6,019件)
• 2024年:同事故数 125,646件(うち人身事故 7,286件)

この2年間で、事故件数は約1万件増加しており、
なかでも外免切り替え利用者による運転への不安の声が社会的にも高まっています。



問題点と制度の緩さ

問題視されているのは、外免切り替えの審査内容の甘さです。
• 筆記試験は○×10問のみ(合格ラインは7問)
• 技能試験は教習所内の簡単なコース1周
• 一部では、ホテル滞在中でも切替が可能だった(住民票不要)
• ブローカーや偽造書類を介した不正取得の報告もあり

本来、交通安全を担保するはずの制度に、いくつもの“抜け穴”が存在していたのです。



制度の見直しと今後の対策

こうした現状を受けて、警察庁は2025年に以下のような制度改正を発表しました。
• 観光目的滞在での切替不可へ
• 住民票の提出を義務化
• 筆記試験の問題数を10問→30問に増加
• 本人確認の強化と不正防止策の導入

さらに、交通安全教育の強化や、保険加入義務化なども検討されています。



まとめ

外免切り替え制度は、グローバル化が進む現代において重要な仕組みである一方、
その管理体制が不十分なままでは、日本国内の交通安全にリスクをもたらします。
今後は、制度の整備と実効性の高い運用が求められていくことでしょう。

運転免許とは命を預かる資格です。
どの国の出身者であっても、安全意識と責任感を持った運転を心がける必要があると思います。

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